検索順位の下がったサイトを悪く言うのはやめよう!事例紹介の適切なあり方

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「〇〇のサイトの検索順位が下がった原因はこれです」などと紹介するSNS投稿や記事を見かけることがあります。
また、マーケティング施策の失敗事例として特定の企業名やサイト名を挙げる記事を見ることもあります。

検索順位の変動やマーケティング施策の結果は、Webサイトや企業の優劣・善悪を決めるものではありません。悪いイメージを与えることは、運営者の利益を損なう可能性があります。

この記事はSEOやマーケティングに携わる事業者に呼びかける内容です。検索順位が下がる原因を整理したうえで、マーケティング事例紹介の適切なあり方について解説します。

目次

検索順位が下がる主な原因

検索順位の下落には、さまざまな要因が絡み合っています。
Googleのアルゴリズムは常に進化しており、一定の変動は珍しいことではありません。

検索順位が下がる主な原因を以下にまとめます。

Googleコアアップデートによる影響

Googleは定期的にコアアップデートを実施し、検索結果の品質向上を目指しています。
近年では、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)がより重視される傾向にあります。AI生成コンテンツの大量生産や、他サイトの情報を寄せ集めただけの記事は評価が下がりやすいでしょう。

アップデート直後は順位が大きく変動しますが、落ち着くまで数週間から数か月かかることも少なくありません。

関連記事:Googleコアアップデートとは?SEOライティングへの影響と対処法

サイトのコンテンツ品質の低下

コンテンツの質が低下すると、ユーザー体験や検索エンジンの評価に悪影響を及ぼします。たとえば次のような質の低下です。

  • 情報が古くなったまま更新されていない
  • 検索意図に十分応えていない
  • 独自性が不足している

Googleの検索品質評価ガイドラインでは、ページがユーザーのニーズをどれだけ満たしているかが重視されます。
低品質なコンテンツは、役立つ情報として認識されにくくなります。とくに、薄い内容やコピーコンテンツに近い記事は、アップデートで大きく順位を落としやすいでしょう。

サイトのテクニカル要因

次のように、Webサイトの技術的な問題が順位に影響します。

  • ページの表示速度が遅い
  • モバイル対応が不十分
  • 構造化データの実装ミスがある

たとえば、画像の容量が多く読み込みが遅くなったり、モバイル端末でレイアウトが崩れたりすると、ユーザーの離脱を招きます。

Googleはユーザー体験を重視するため、テクニカルな問題の放置が順位下落につながる可能性があります。
ページやサイトの評価に Core Web Vitals のようなユーザー体験に関する指標が使われているため、これらの改善が欠かせません。

ペナルティの適用

スパム行為やガイドライン違反が確認された場合、手動ペナルティやアルゴリズムによるペナルティが適用されることがあります。
典型的な例として、隠しテキストの多用や、相互リンクの過度な実施などが挙げられます。

ペナルティを受けると順位が大幅に下がるだけでなく、検索結果から除外される場合もあります。「Google 検索の基本事項」の確認が必要です。

競合サイトの台頭

競合サイトが優れたコンテンツを追加したり、ユーザー体験を向上させたりすると、相対的に自サイトの順位が下がることがあります。これは市場の健全な競争の表れといえます。

自サイトが停滞している間に、競合が積極的に記事を更新したり、技術改善を行ったりすれば、順位変動は避けられません。

検索順位がWebサイトの善悪を決めるわけではない

検索順位は、前述のような複数の原因から決まり、変動するものです。
また、順位がWebサイトの価値を決める絶対的な指標でもありません。まして善悪のような判断基準は存在しません。
少し詳しく見てみましょう。

検索順位はGoogleが決定するもの

検索結果の順位は、Googleのアルゴリズムによって決定されます。
Googleはユーザーにとって役に立つか、立たないかを基本的な判断基準として、ページの品質や検索意図との関連性を総合的に評価するのです。

アルゴリズムが更新された際や、競合サイトの状況に変化が生じると、順位も影響を受けて変動します。
Googleの方針転換があった場合、SEOの前提も変わります。

SEO施策の試行錯誤は「悪」ではない

SEOで新しい手法を試し、結果が出ない場合もあります。 想定したとおりにならないケースや、コアアップデートの変化を見誤るケースもあるでしょう。
試行錯誤を繰り返すことで、より効果的な施策が見つかるようになります。

SEO施策の失敗はWebサイトの損失につながりますが、意図してスパム行為を行ったのでなければ、そこに道義的、倫理的な責任があるわけではありません。

SEOの失敗事例に企業名を挙げることの危うさ

SEO会社の施策がうまくいかない場合もあります。経験が乏しくて間違った施策を行うこともあるでしょう。
それによって、運営会社の利益にマイナスの影響が出ることもありますし、サービスのユーザーに不便や不安を感じさせてしまうこともあります。

ただ、利害に無関係な第三者が施策の是非を公に示すことには、危うさもあるでしょう。とくに、特定のサイト名や企業名を挙げて悪い評価をする場合のリスクがあります。

SEO会社が勝手に実施し、運営会社が施策を知らないケースもあり得ます。そのようなケースを事例として挙げる際に、サイト名や企業名を挙げることは慎むべきでしょう。

マーケティング事例紹介の適切なあり方

マーケティングに関する事例紹介は、読者に学びを提供する重要な役割を果たします。
しかし、表現次第で他者の価値を損なう恐れがあります。
SEOに携わる事業者として、事例紹介は次のポイントを押さえることが重要です。

第三者のサイトや企業を名指しで批判しない

特定のサイトや企業を名指しで「低品質」「失敗」と断定する表現は、ネガティブな印象を与えるため避けましょう。
代わりに、「このような特徴を持つコンテンツは、アップデートで影響を受けやすい傾向があります」などの一般論として述べるのが適切です。
事例を紹介する際に客観性を維持し、攻撃的にならないよう注意しましょう。

ブランディングの失敗事例なども同じ配慮が必要

検索順位の下落だけでなく、ブランディングの失敗事例やマーケティング施策の失敗談でも同じ配慮が求められます。
特定の会社を名指しで批判する記事は、対象となる運営者に不利益を与える恐れがあります。

ブランディング施策がうまくいかなかった事例を紹介する場合も、「このようなアプローチは、ターゲット層によっては逆効果になる可能性があります」などの一般的な指摘に留めましょう。
マーケティング業界全体に共通するマナーとして、第三者の価値を貶めることのないよう心がけたいものです。

原因分析では複数の可能性をバランスよく示す

原因分析を行う際は、一つの要因だけを強調せず、複数の可能性をバランスよく挙げるようにしましょう。
たとえば、順位下落の原因として「コンテンツ品質の低下だけ」と断定するのではなく、コアアップデートや競合要因なども併せて解説します。
分析の際には偏った視点にならないよう、客観的なデータを基にした説明を心がけましょう。

失敗事例を紹介する場合は改善策を示す

失敗事例を紹介する際は、運営者を公表しないことはもちろん、改善策や回復のヒントを併記することが望ましいといえます。
事例を通じてクライアントや読者が前向きに取り組める内容を提供するよう努める必要があります。

まとめ

マーケティング事例を紹介する際は、対象となる運営者の不利益にならないよう十分な配慮が必要です。
検索順位の下落や施策の失敗を「悪いこと」と短絡的に捉え、特定のサイトや会社を名指しで批判するような投稿や記事の公開は避けましょう。

SEOの事業者には、客観的で建設的な視点を提供する責任があります。原因分析では複数の可能性を示し、失敗事例には必ず改善策を併記します。
こうした配慮により、読者が学びを得られる有益なコンテンツを提供できるのです。

SEOの事業者として、業界全体の健全な発展に寄与する事例紹介を目指しましょう。