Webアクセシビリティを高める文章と構成のポイントを解説


スマートフォンを見る人

Last Updated on 2025年12月22日 by expwakui

「Webアクセシビリティ」はデザインやコーディングの文脈で話題になることが多い状況です。
しかし、文章の書き方や構成の工夫も、アクセシビリティに大きく関わります。

この記事では、Webライターが執筆時に意識すべきアクセシビリティのポイントを、具体的な事例とともに紹介します。

Webアクセシビリティとは

Webアクセシビリティとは、年齢・障がい・環境にかかわらず、すべての人がWebサイトやオンラインサービスを利用できるようにする考え方です。

国際的には、W3C(World Wide Web Consortium)が定めたWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)が基準となっています。

日本でも、総務省が「みんなの公共サイト運用ガイドライン」などを通じて、公共・民間問わずアクセシビリティの確保を推進しています。

これらの取り組みは、障がいの有無にかかわらず、多様な利用環境に対応することが目的です。
具体的には次のような考え方があります。

一時的な利用制限にも配慮する

アクセシビリティは、永続的な障がいだけを想定したものではありません。
たとえば、日差しで画面が見えづらいときや片手でしか操作できない状況、電車内で音声を出せないときなど、誰にでも起こり得る制約も対象です。

デバイスや通信環境の違いにも対応する

利用者の中には、パソコンだけでなくスマートフォンや音声ブラウザなど、異なるデバイスで閲覧する人もいます。
通信速度が遅い環境では、軽量で読み込みやすい構成が求められます。

文章でも、重要情報を冒頭にまとめるなど、読みやすさを意識することが大切です。

ライターも「伝わる文章」で支える

アクセシビリティは開発者だけの課題ではありません。
Webライターも、わかりやすい言葉選びや見出し構成を工夫することで、情報の伝わりやすさを高められます。

次に、ライターが実践できるアクセシビリティ対応のポイントを紹介します。

Webアクセシビリティを高める文章と構成のポイント

誰にでも理解できる「わかりやすい文章」を書く

アクセシビリティの基本は、誰が読んでも理解できることです。
専門用語や略語を使う場合は、初めて出てくる箇所で補足説明を入れましょう。

  • NG例:「GA4のCTRが低下しています」
  • OK例:「GA4(Googleアナリティクス4)でクリック率(CTR)が低下しています」

また、1文を長くしすぎないように意識すると読みやすくなります。
日本語の場合、 一般的に60〜80文字までの長さが読みやすいとされています。音声読み上げ時にも理解しやすいでしょう。

参考までに、WCAGのガイドラインによると、画面に表示される文章の幅(折り返し位置)は40文字(半角では80文字)以内が推奨されています。

見出し構造を正しく意識する

Web記事では、見出し(h2・h3など)の階層が、スクリーンリーダー利用者にとって地図のような役割を果たします。

構成段階から見出しの順序や意味を意識するとよいでしょう。たとえば次のような階層です。

  • h2(大見出し):章のテーマ
    テスト
  • h3(中見出し):具体的な要素
  • h4(小見出し):補足説明

具体的な見出しで表現すると次のようになります。

  • h2:SEOとアクセシビリティの関係
    – h3:Googleが重視するアクセシビリティ
    – h4:ページ速度
    – h3:ユーザー体験とのつながり

このように論理的な階層構造を意識して書くと、スクリーンリーダーだけでなく、検索エンジンにも意味が伝わりやすくなります。

画像の代替テキスト(alt属性)を正しく書く

画像の代替テキスト(alt属性)は、WebライターがCMSに入稿するときは忘れずに記述しましょう。
スクリーンリーダーを使う際、altの内容がそのまま「画像の説明」として読み上げられます。

  • NG例:alt=”画像1″
  • OK例:alt=”Shodoの校正結果が表示されているダッシュボード画面”

一方、装飾目的の画像(罫線や背景パターンなど)はコンテンツとしての意味を持たないため、alt=””(空欄)に設定することでスクリーンリーダーが読み上げないようにできます。

リンクテキストは内容がわかるように書く

スクリーンリーダーはリンクテキストだけを抽出して読み上げることがあります。
そのため、「こちら」や「詳しくはこちら」では内容が伝わりません。

  • NG例:「詳しくはこちら」
  • OK例:「Shodoの機能一覧はこちら」

同様に、「→」「▶」などの記号を使う場合も注意が必要です。記号だけではリンクの意味がわからないため、リンク先の内容が理解できるテキストを心がけましょう。

色や装飾に頼らずに情報を伝える

ライターが原稿内でデザイン指示を出す場合、色や強調装飾だけで意味を伝えないことも重要です。

  • NG:「赤字の部分を修正してください」
  • OK:「重要な部分(下線付き)を修正してください」

また、「重要」「注意」「補足」など、ラベルとして機能する語句を文中に入れることで、色覚に関係なく情報を伝えられます。

読点・記号・絵文字の使いすぎに注意する

スクリーンリーダーは句読点や記号をそのまま読み上げます。
読点「、」を連続して使うと音声上でテンポが悪くなり、意味が伝わりにくくなります。
「、」が3回以上続いてしまうときは、文章を分けるほうが分かりやすくなるでしょう。

また、絵文字や顔文字も音声で読み上げられるため、多用すると理解を妨げる場合があります。
文章で感情や状況を伝える工夫を優先しましょう。

読み上げを意識して句読点を配置する

音声読み上げでは句点(。)で一旦停止し、読点(、)で短く区切られるため、句読点の配置は「文章のリズム」や「意味のまとまり」に直結します。

たとえば、「ライターは、読者が理解しやすい文章を書くことが求められます。」のように自然な呼吸の位置に読点を入れると、読みやすくなります。

また、「〜です。〜です。〜です。」のように同じ語尾が続くと、単調に読み上げられてしまうため、語尾を変化させることも有効です。

よくあるアクセシビリティ配慮の例

実際にWebライターが遭遇しやすいシーンでの配慮例を挙げます。

  • 取材記事のキャプション
    → 写真の被写体や状況を文章で伝える:「○○社の会議室。社員がディスカッションしている様子」
  • ボタンやCTAの文言
    → 「今すぐ申し込む」よりも「無料トライアルを申し込む」のほうが、ボタンの意味が明確になります。
  • 表やリスト
    → 表を作る際には、見出しセル(thタグ)を設定しておくことで、読み上げでも内容が伝わります。

ライターができるアクセシビリティ対応のまとめ

ライターは、日々の執筆のなかでWebアクセシビリティに対して次のような配慮ができます。

  • 専門用語に補足をつける
  • 見出しの階層を正しく構成する
  • リンクテキストを明確にする
  • alt属性を適切に書く
  • 色・装飾・記号に頼らない
  • 句読点と語尾を工夫して自然に読み上げられる文章にする

こうした意識を積み重ねることで、より多くの人に読みやすく伝わる記事になるでしょう。Webライターにとってアクセシビリティとは、「伝わる文章」を書く力を高めることといえます。

なお、WCAGや政府のガイドラインについては、一度目を通しておくのがよいでしょう。

参考記事

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2 (日本語訳)

みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)

Webライティングのトレンド(2025年)