Webサイトは、自社のコンテンツを多くの人に見てもらうために設置・運営する媒体です。運営者は、見た人が何らかの行動を起こしてくれることを期待しています。
しかし、「集客が伸びない」「問い合わせにつながらない」などの悩みを抱えるケースも多いでしょう。
この記事では、Webサイトのコンテンツにありがちな問題を挙げ、それらを集客とコンバージョン(以下、CV)の観点から改善する方法について解説します。
「現状を打破したい」と考えるサイト運営者の気づきになれば幸いです。
Webサイトのコンテンツとは
Webサイトにおけるコンテンツには、大きく2つの意味があります。
- Webサイトに載せる情報そのもの(商品・サービスの情報)
- 情報を可視化・言語化して伝わるようにした制作物
商品・サービスそのものの魅力が乏しい場合、制作物であるWebコンテンツを改善しても効果は限定的です。
この記事では、制作物としてのコンテンツに見られる問題に焦点を当て、具体的な解決策を提案します。
コンテンツ(制作物)のよくある問題
コンテンツの問題は、ユーザーに見つけてもらい、内容が伝わり、行動してもらうまでの一連のプロセスで発生します。
この過程にある具体的な問題について、順に見ていきましょう。
検索に最適化(SEO・AIO)されていない
検索に最適化されていないとは、ユーザーの検索行動に対して、次の状況が生じていることを指します。
- GoogleやBingなどの検索結果にページが表示されにくい
- AI検索の回答でページやサイトが紹介されにくい
これらは検索からの集客にとって厳しい問題です。SEO(検索エンジン最適化)に加えて、最近ではAI検索で情報が紹介されやすい状態に整える「AIO(AI検索への最適化)」が必要となっています。
AIOは、「LLMO」「GEO」「AEO」などとも呼ばれ、業界内でも呼称が統一されていない状況です。
検索に最適化されない主な原因は以下のとおりです。
| 原因となる事実 | 問題点 |
|---|---|
| ページ数や情報量が不足している | ユーザーの疑問に答えるページが少ない |
| 類似・重複コンテンツが多い | 似た内容のページが並び、どれを見せるべきか判断しにくい |
| 検索意図を考慮していない | ユーザーが知りたい内容と、ページの内容がずれている |
| AI検索に引用されにくい構成になっている | 独自の情報がなく、見出しや段落の整理も不十分 |
いずれも「検索に関するコンテンツの質」の問題であり、ユーザーが情報にたどり着くための前提が整っていません。
訴求力に欠ける
訴求力とは、ユーザーが「自分に必要だ」と感じて行動する気持ちを起こさせる力です。
商品やサービスに魅力があっても、伝え方が弱いとユーザーに十分に理解されず、CVにつながりません。
次のような状態では必要と感じてもらえず、離脱の可能性があります。
- 誰に向けた商品・サービスなのかが書かれていない
- 特徴の説明だけで、ユーザーにとってのメリットが伝わらない
- 行動すべき理由が示されていない
サービス側の一方的なアピールではなく、ユーザーにとって必要なことが伝わる内容にしましょう。
具体性に乏しい
「高品質」「丁寧な対応」のような抽象的な表現にとどまり、根拠が示されていない状態は具体性を欠きます。ユーザーは、その言葉が本当かどうかを判断できません。
強みを裏付ける材料には、数字・料金・事例・実績などがあります。たとえば「豊富な実績」と書くより、年間の対応件数や導入企業の事例を示すほうが、ユーザーの納得につながります。
Googleも、コンテンツの自己評価の観点として、独自の情報や分析を示しているかどうかを挙げています。
参考記事:Google「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」
情報設計が適切でない
情報設計とは、ユーザーが目的のページにたどり着き、迷わず行動できるように、情報の配置や流れを整えることです。設計に問題があると、ページを訪れても次の行動につながりません。
具体的には、以下のような問題があります。
| 原因となる事実 | 問題点 |
|---|---|
| ナビゲーションやCTAが不適切 | 遷移先が分かりにくい |
| ページの役割や内部リンクが整理されていない | 内容の把握や判断の支障になる |
| 文書構造が正しくない | 見出しの階層が乱れて内容を把握しにくい |
| 入力フォームの項目が多い | 入力に手間がかかり、途中で離脱しやすい |
| 表示速度や操作性に問題がある | スムーズに閲覧できない |
ナビゲーションとは、サイト内の移動を助ける仕組みで、一般に「メニュー」などと呼ばれているものです。
CTAとは、Call To Actionの略で、ユーザーに特定の行動を促すために配置されるボタンやリンクのことです。
コンテンツの内容が良くても、設計に問題があるとユーザーに対して十分に伝わらなかったり、意図する行動をしてもらえなかったりします。
SEO・AIOの見直しによる集客の改善
SEOとAIOの見直しは、従来の検索最適化の基本を整えたうえで、AI検索への対応を加える方法が効率的です。
前述のようなコンテンツの問題を改善するために、具体的な方法を紹介します。
検索意図とのずれを修正する
検索意図とは、ユーザーがそのキーワードで検索したときに知りたいと考えている内容です。
たとえば「ホームページ 更新」で検索する人が、更新の手順を知りたいのか、更新を依頼できる会社を探しているのかによって、求められるページは異なります。
ずれを確認するには、対策したいキーワードで実際に検索し、上位に表示されるページの種類と内容を比べてみましょう。自社のページが手順の解説なのに上位が事業者の紹介ページばかりなら、意図がずれているため方向性を再確認しましょう。
ただ、上位ページはあくまで検索エンジンがキーワードに対して必要だと判断した情報だと考えるべきです。自社が本当に「手順を知りたい人」に情報提供したいと考えるなら、そこに的を絞ったコンテンツにすることが最も重要です。
タイトル・見出し・本文を見直す
検索結果でユーザーが最初に目にするのは、ページのタイトルです。
Googleは、titleタグやh1見出しなどをもとに検索結果のタイトルを決めており、具体的で分かりやすいタイトルを付けるよう案内しています。ページごとに異なるタイトルにし、同じ語句の繰り返しは避けましょう。
参考記事:Google「Google 検索結果のタイトルリンク(見出し)の変更」
見出しは、内容の流れや重要性が分かるように階層を整理します。
記事の本文でも、冒頭に結論や要点を置くことで、ユーザーが早く内容を理解するのに役立ちます。
経験上、検索意図への答えとなるコンテンツは、記事の早い段階でh2見出しとともに記述することが、結論を先に示すうえで有効です。
たとえば、ユーザーがホームページの更新を依頼できる会社を探している場合、「更新を依頼できる制作会社5選」のようなh2見出しを、記事の先頭や2番目に配置するなどの方法です。
コンテンツの過不足を調整する
不足しているコンテンツは追加し、似通ったコンテンツは統合します。
追加する際は、ユーザーが抱える疑問を洗い出し、まだ答えていないものから書きましょう。
ただし、検索キーワードのバリエーションを作って似たページを量産するのは逆効果です。Googleは、ページ数が多いことが品質や関連性の高さを意味するわけではないと説明しています。
一方、内容が重なる複数のページは、1つのページに統合して整理します。重複コンテンツはユーザーの利便性を下げるだけでなく、検索エンジンのクロール(巡回)に無駄を生じるためです。
参考記事:Google「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
適切な内部リンクでコンテンツの関係性を明確にする
関連する記事やサービスページへの内部リンクを適切に配置することで、ユーザーの回遊とクローラーによるコンテンツの把握につながります。
内部リンク施策としては、以下の2点が効果的です。
- 文脈に沿った関連記事へのリンク設置
- トピッククラスターモデルの活用
「文脈に沿う」とは、セクションの内容に強く関連する記事へのリンクを、そのセクション内に設置することを意味します。ユーザーが関心を持って詳しく知りたいと思ったときに、その場で参照できるリンクがあると、利便性が高まります。
「トピッククラスターモデル」とは、マーケティング・CRMプラットフォームを開発・提供する「HubSpot」が提唱したSEO手法です。(Googleのガイドラインには示されていません)
テーマが明確で網羅的な内容を持つページ(ピラーページ)と、個別の内容に関連する詳細ページ(クラスターページ)とを相互にリンクさせることで、テーマ性が高まります。
とくにマニュアル(ドキュメント)や特定カテゴリーの商品群などのコンテンツで活用しやすい手法です。
参考記事:Ahrefs「Internal Links for SEO: An Actionable Guide」(内部リンク実践ガイド)
参考記事:Google「Google のリンクに関するベスト プラクティス」
AI検索に最適化する(AIO)
ChatGPTなど、Google以外のAIサービスが情報を引用する仕組みは、公開されている情報が限られています。確実な手法は確立されていないため、現段階では、Googleの公式ガイドに沿ってユーザーの役に立つ内容を整えることが、現実的な対応といえます。
Googleのガイドラインで重視されるポイントは、次のとおりです。
- 自サイトだけが持つ独自の視点や体験を含める
- 見出しと段落で内容を整理する
- 重要な情報はテキストで示す
「AIによる概要」やAIモードへの最適化に関しては、従来のSEOに対する追加要件はなく、特別な最適化の必要はないとGoogleは説明しています。AIにサイトの概要や構造を伝えるllms.txtなどの専用ファイルも、GoogleのAI検索においては不要としています。
参考記事:Google「AI 機能とウェブサイト」
参考記事:Google「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
問い合わせ・注文などCVの改善
情報設計・訴求力・具体性の問題は、ユーザーが問い合わせや注文などのCVに至るまでの流れを見直すことで改善できます。
ページを訪れたユーザーが迷わず行動できるよう、以下のポイントを押さえましょう。
ナビゲーションと導線を明確にする
導線とは、ユーザーが問い合わせや注文のページにたどり着くまでの道筋です。
まず、トップページや各ページから問い合わせ先までの経路を、ユーザーの立場で実際にたどって確認します。
次に、メニューは「料金」「事例」など、対象ユーザーの主な関心事に沿ったコンテンツへのリンクにしましょう。
各ページの末尾に、次に読むページや問い合わせへのリンクを置くと、途中で離脱するユーザーを減らせます。
記事とサービス紹介の役割分担を明確にする
ハウツーや解説などの記事と、商品やサービスの紹介では、次のように役割が異なります。それぞれに特化した内容にしましょう。
- 解説記事:情報収集段階のユーザーに向けて悩みの背景や解決策を明らかにする役割
- サービス紹介:検討段階のユーザーに向けて内容・料金・導入事例など、意思決定に必要な情報を提供する役割
記事内でサービス紹介が続いたり、サービスページに情報収集向けの解説が混在したりして役割があいまいになると、ユーザーがスムーズに理解して判断する妨げになります。
他社と比較できる情報を提供する
問い合わせや購入を検討するユーザーの多くは、複数のサービスを比較したうえで意思決定します。
自社サイト内に比較材料がなければ、ユーザーは他社サイトや比較メディアで情報を集め、そのまま離脱する可能性があります。
比較コンテンツは、視覚的に分かりやすい表にまとめましょう。ユーザーが比較しそうな競合サービスを並べ、他社に対する優位性が分かる項目を含めます。
具体的なサービス名を挙げて比較しにくい場合は、「A社、B社」「サービスA、サービスB」のような表現も可能です。
参考記事:Google「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
行動を促す文章とボタンを改善する
CTAの文言は、「送信」「詳細はこちら」のようなあいまいな表現よりも、「無料で相談する」「見積もりを依頼する」のように、クリックした先に何があるかが分かる言葉にします。
ボタンは周囲と区別できる色と大きさにし、1つのページで促す行動は絞りましょう。複数の選択肢を並べると、ユーザーはどれを選ぶか迷い、行動をためらいます。
配置する場所は、サービスの特徴や事例を紹介した段落の直後など、ユーザーが「必要」と感じるタイミングが効果的です。
クリック後に分かることを事前に紹介するために、CTAの直前に短い案内文(マイクロコピー)を加えることも有効です。たとえば「次のページではご相談のステップについて分かりやすく説明しています」のような書き方です。
不安を解消する情報を載せる
問い合わせや注文の直前に、ユーザーは「追加費用が発生しないのだろうか?本当に任せて大丈夫だろうか?」などの不安を抱える傾向があります。
次のような疑問を解消するコンテンツを置くことで、ユーザーは行動を起こしやすくなります。
- サービスと料金の対応が分かりやすい表
- 問い合わせ後の流れについての説明
- 導入事例やよくある質問
具体的な数字や事例で示すほど、ユーザーは判断しやすくなります。
事前に知らない会社の商品・サービスの購入を考える際には、「会社概要」や「連絡先」を確認するケースが多いため、これらの情報がすぐに参照できるようにしておくことが有効です。
参考記事:Google「Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する」
問い合わせ・注文フォームをシンプルにする
入力項目が多いフォームは、手間がかかるため離脱されやすくなります。スムーズな利用のために、次の点に注意しましょう。
- 本当に必要な項目だけを残し、任意の項目は減らす
- 必須と任意を見分けられるようにする
- 入力例を添え、入力ミスはその場で知らせる
- スマートフォンでも押しやすいボタンの大きさにする
目的によってフォームに必要な情報は異なります。サービスへの問い合わせの場合、初回の連絡では最低限の項目にとどめ、詳細はその後のやり取りで確認する方法もあります。
ユーザー体験を損なう要素を減らす
サイト上の体験が悪いと、CVにつながりにくくなります。
読みやすさの向上や離脱する要因の除去など、ユーザー体験の向上につながる個別の対策を表にまとめました。
| 読みやすさの向上 | 離脱要因の除去 |
| ・1文を短くする ・専門用語に説明を添える ・結論を先に示す ・セクションや段落で伝えたいことを1つに絞る ・装飾的な言い回しや遠回しな表現をなくす | ・早く表示されるようにする ・情報を探しやすくする(操作性を改善する) ・文字を読みやすくする(大きさや色のコントラスト) ・内容に無関係なアニメーションを加えない ・不要なポップアップ、広告を減らす |
とくにモバイル環境では、表示速度の遅さや操作性の悪さなどが直接的な離脱要因になるため、優先的に確認しましょう。
参考記事:Google「Core Web Vitals と Google 検索の検索結果について」
次の記事では、離脱の原因となるポイントの例を紹介しています。ユーザー体験のチェックに活用できるでしょう。
関連記事:ユーザー体験が壊れるポイント集|WebサイトのUX失敗事例
まとめ:コンテンツ改善を成功させるポイント
集客・CVの改善策を成果につなげるには、すべてを一度に進めず、進め方を決めておくことが重要です。
- 課題の優先順位をつける:成果への影響の大きさ・作業の手間・費用をもとに、着手する順序を決める
- 小さく始めて数値で確認する:数ページで試し、検索順位・クリック数・問い合わせ数を比べて効果のあった施策を広げる
このほか、専門知識が必要な作業を外部の専門家に任せることも、成果を上げるための有効な手段です。
役割分担の仕方としては、次のような方法があります。
- 具体的な施策の実行を専門家に任せ、強みや実績などの一次情報を社内から提供する
- 専門家からのアドバイスを受けながら、施策の実行や改善作業を自社で行う
自社サイトがどの問題に当てはまるかを判断し、重点的に対策を講じることで改善効果を高められます。
関連記事
EXPわくいの「ユーザー体験・コンバージョンの改善方針」
