Webサイトのユーザー体験(UX)が壊れるポイントに着目しよう


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Webサイトのユーザー体験(UX)は、特別なデザインや高度な技術によって決まるものではありません。
ユーザーが感じる使いやすさや違和感は、設計段階での考え方や配慮の積み重ねから生まれます。

この記事では「UXが壊れる(損なわれる)ポイント」に注目し、Webサイト運用の視点からユーザー体験を考えます。

目次

使いにくいWebサイトは、なぜ生まれるのか

情報や機能は十分に用意されているのに、使いにくいと感じるWebサイトがしばしば見受けられます。
その原因は、UIの見た目や技術力の不足ではなく、設計段階でユーザー体験が後回しにされているからでしょう。

運営者側の事情や業務フローを優先した結果、ユーザーの行動や感情が十分に考慮されていないケースです。

UXが壊れやすい「コンタクトポイント」

ユーザー体験が大きく左右されるのは、ユーザーが具体的な行動を起こす瞬間です。
問い合わせ、購入、会員登録などの「コンタクトポイント」は、期待と現実のズレが顕在化しやすい場所です。ここで少しでも迷いや不安を感じると、UXは一気に悪化します。

コンタクトポイントは社内ルールが色濃く出てしまいがちな場所でもあり、ユーザー視点とのズレが生じやすいといえます。

入力フォームに表れる「設計思想のズレ」

入力フォームは、UXの良し悪しが端的に表れる要素です。
必須項目が多すぎたり、入力エラーの理由が分かりにくかったりすると、ユーザーは強いストレスを感じます。

日本の場合、とくに個人情報を多く取得しようとするWebサイトが多い状況ですが、取引でそこまで必要ないケースもあるでしょう。たとえば、次のような項目が必須になっているケースがあります。

  • 資料請求・お問い合わせ:会社名・部署名・役職などが必須
  • 会員登録:生年月日・性別・未婚/既婚・電話番号・メールアドレスなどが必須
  • 住所入力:建物名・部屋番号などが必須

運営者側にとっては「正しい手続き」であっても、ユーザーにとっては納得できない体験になる場合もあるでしょう。このズレは、設計思想がユーザーではなく業務側に向いていることから生まれます。

ダークパターンのユーザーインターフェース(UI)

ダークパターンとは、Webサイトの表示を偽って(あるいは分かりにくくして)ユーザーが意図しない不利益な行動を取るように作られたUIの手法です。
運営者側に悪意がない場合でも、売上のためにユーザーの利益を損なう設計をすればダークパターンになり得るでしょう。

最近はダークパターンへの規制も欧米を中心に強まっていますが、日本でも「同意の取り方が分かりにくい」「解約導線がわざと複雑」といった手法は、長期的な信頼を大きく損なうリスクがあります。

UX改善とは「ユーザーが持つ違和感への配慮」

UX改善は、一度対応すれば完了するものではありません。ユーザーがどこで迷い、どこで戸惑っているのかに気づけるかどうかが重要です。

多くのUXの問題は、明確なクレームとして表面化しないため、見過ごされがちです。しかし、小さな違和感を放置するかどうかが体験全体の質を大きく左右します。
UX改善とは、ユーザーへの親切さを継続する姿勢そのものです。

Webサイト運用におけるUX改善で意識すべきポイント

UXは設計だけでなく、運用の中で育てるものでしょう。ここでは、日常的なWebサイト運用のなかで意識したい視点を整理します。

数値データだけでは見えないUXの問題

アクセス数や離脱率などの数値は、UXを把握するうえで重要な指標です。ただし、数値だけではユーザーが何に迷い、どこで不安を感じたのかまでは分かりません。

たとえば、離脱率が悪くなくても「入力した後に不安になってブラウザバックする」ユーザーや、「とりあえず登録だけして二度と使わない」幽霊会員が存在するケースもあります。
数字の変化をきっかけに、ユーザーの行動や心理を想像する姿勢が求められます。

言葉・説明・導線が体験に与える影響

UXは、文章や説明の分かりやすさによっても大きく左右されます。
専門用語が多すぎないか、次にすべきことが明確かなど、言葉と導線の設計は重要です。
小さな表現の違いが、ユーザーの安心感や行動のしやすさにつながります。

Webライターや運営者が関与できる施策

UX改善はデザイナーやエンジニアだけの役割ではありません。Webライターや運営者も、構成や文章を通じてUXに関与できます。
ユーザーの疑問を先回りして解消する視点を持つことで、体験全体の質を高められます。

まとめ:ユーザー体験は「設計の結果」

UXは設計思想の積み重ねによって形づくられます。ユーザーの行動を起点にWebサイトを見直すことで、多くの改善点が見えてくるでしょう。

つまりUXは、「使う側の目線で何度も見直す」という地味ながらも継続的な習慣の積み重ねだといえます。

次の記事では、ユーザー体験が壊れるポイントを網羅的に集め、それぞれの問題点と回避策を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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