Last Updated on 2026年1月8日 by
Web記事を作成する際には、著作権侵害や倫理上の問題を避ける必要があります。
インターネットはグローバルなものですが、法的な規制や文化的な慣習は国や地域によって異なります。たとえば米国では法的に問題がなくても、日本では問題視されるケースもあるでしょう。
この記事では、日本における著作権や倫理面での注意点を整理・解説します。Webライターとしての実務的な観点からまとめるもので、法的な助言を提供するものではないことをあらかじめご了承ください。
対象となるコンテンツ
著作権や倫理面での配慮が必要となるものとして、Web記事の周辺では次のような要素があります。
- 文章(テキスト)
- 画像(写真・絵・グラフィック)
- 動画
ライター自身が写真を撮影することもありますが、一般的には画像や動画は素材として利用することが多いでしょう。
その際、権利関係やライセンス条件を必ず確認し、必要に応じて権利者の許諾を得ることが重要です。基本的にライターは素材を商用利用するため、安易にネット上の素材を流用しない姿勢が求められます。
Webコンテンツにおいて著作権の観点から注意すること
日本の著作権は、著作物を創作した時点で自動的に発生し、原則として著作者の死後70年間保護されます。
著作者が無名・変名・団体名義の場合や、映画の著作物においては公表後70年間の保護です。
他者が制作した素材を利用する場合は、原則として権利者の許可が必要です。無許可で利用が認められるのは、私的利用や引用など例外的なケースに限られます。
無断使用をすれば、削除要請や損害賠償といったリスクにつながります。
記事執筆時には、オリジナル性を確保し、第三者の著作物は必要最小限の範囲で適切に扱うことが基本です。
テキストの扱い
テキストを利用する際は「引用」として認められる次のような条件を守る必要があります。
- 引用部分と自身の文章に主従関係があること
- 引用範囲が必要最小限であること
- 出典を明記すること
元の文章を単にコピーしたものや、要約したものは引用には当たりません。ただし実務上は出典を明記し、引用部分を明確に区別するなど、引用の形を整えておくと安全でしょう。
記事作成では、オリジナルの視点や分析を加えて独自性を出すことが求められます。必要に応じてコピーチェックツールを使用し、盗用と見なされないよう確認しておくことが重要です。
画像の扱い
画像を利用する場合は、国内外のストックフォトサービスからライセンスを取得するのが基本です。日本ではPIXTAや写真ACなど、商用利用可能なサービスが多く存在します。
クリエイティブコモンズライセンス(CCライセンス)の素材を使う場合は、商用利用可否やクレジット表記の条件を必ず確認しましょう。
配布されているフリー画像は出所が不明なものもあるため、画像上のウォーターマークやメタデータを確認して、適切なライセンス情報を把握することが重要です。
ネット検索で見つけた画像をそのまま使うと、ほぼ著作権侵害になるといえるでしょう。正規のライセンスを利用する姿勢を明確にし、Web記事の信頼性を維持しましょう。
動画の扱い
動画については、YouTubeなどプラットフォームが用意する共有機能を利用すれば、通常は著作権侵害にならないでしょう。
ただし、動画を無許可でダウンロードしたり、スクリーンショットを記事に使用したりするのは違法です。
商用記事で音楽を利用する場合は、JASRACなど管理団体を通じた利用許諾が必要になります。オリジナル動画を作成するのが最も安全であり、万一トラブルが発生した場合でも自ら対応できるメリットがあります。
素材全般について
素材を利用する際は、パブリックドメイン(公有ドメイン)の作品や、著作権切れの古い資料を活用するのも有効です。(著作権の保護期間に注意する)
使用した素材は、ライセンス情報や利用条件をスプレッドシートなどで管理することを検討しましょう。曖昧な場合は権利者に確認を取り、正式な許可を得るのが確実です。
生成AIによる画像やテキストは、権利の所在を含めて法律の整備が追いついていません。商用利用時には慎重に判断する必要があるでしょう。生成AIの開発元が定める利用規約に準拠することも必要です。
フェアユース(公正利用)についての日米の違い
米国の「フェアユース」は著作物の利用可否を包括的に判断する規定で、非営利での利用や著作物が事実だけを記録したものなど「公正利用」だと判断される場合には、無許可での利用が認められる考え方です。
このような規定は日本の著作権法には存在しません。日本では「引用」「私的利用」「教育利用」など、限定的に定められた範囲でのみ例外的に利用が認められています。
たとえば、米国の記事を参考に執筆するような場合、同じ感覚で素材を利用すると問題になる可能性があります。日本では、あくまで厳格な引用のルールに基づき、必要最小限で使用することを意識すべきでしょう。
Webコンテンツにおいて倫理の観点から注意すること
著作権に加えて、倫理面の配慮も重要です。
Web記事は幅広く拡散される可能性があり、誤情報や偏った情報が広まれば読者の信頼を大きく損ないます。
正確な情報源に基づき、透明性を確保することが求められます。倫理的な配慮は、長期的に信頼されるメディアを築くうえで欠かせません。
また、広告やレビュー記事では景品表示法や薬機法などの規制を意識し、誇大な表現や誤解を招く表現を避けましょう。景品表示法では、2024年10月から次の行為に対する直罰規定が新設されています。
- 優良誤認表示:品質が実際より優れているように見せる表示
- 有利誤認表示:価格などを実際より有利に見せる表示
正確性と透明性
記事を執筆する際は、事実確認を徹底し、誤った情報を拡散しないよう注意が必要です。
医療や健康分野の情報は特に信頼性が求められ、エビデンスの提示が不可欠です。記事を更新した場合は、その履歴を残すことで透明性を高められるでしょう。
また、スポンサー付きのコンテンツやアフィリエイト記事では「広告」「PR」などと明示することが法律上も推奨されています。広告主が契約上、明示を義務づけている場合もあります。こうした取り組みは、読者との信頼関係を強化するでしょう。
プライバシーと公平性
他者の個人情報や肖像を含む写真、動画を利用する場合は同意が必要です。これは個人情報保護法に基づく義務で、人物が特定できる場合は特に注意を必要とします。
さらに、記事内で差別的な表現を避け、公平性や多様性への配慮を忘れないことが重要です。
子供向けコンテンツを扱う場合は、各自治体の青少年保護条例にも配慮しましょう。誰にとっても安心して読める記事づくりが基本です。
帰属と敬意
素材を利用する際は、ライセンス条件以上にクリエイターへの敬意を示すことが望ましいといえます。
たとえばクレジットを丁寧に記載することや、参照したコンテンツにはリンクを張るなどの対応が挙げられます。
他者の成果を紹介するときは、否定的な利用よりも建設的に取り上げたほうが信頼を得やすいでしょう。
フェイクニュースの拡散や不確実な情報の引用は避け、読者やコミュニティとの対話を促すことが重要です。
まとめ:法律の確認と専門家への相談
Webサイトの記事はオリジナルコンテンツを基本とし、他者の素材利用は必要最小限に留めることが安全です。
著作権法や関連規制を守ることは法的リスクを防ぐだけでなく、ブランドの信頼性向上にもつながります。
参考となるドキュメントは、文化庁や著作権情報センター(CRIC)、総務省のWebサイトで参照できます。専門家に相談することも有効です。
定期的にルールを見直し、適切な情報発信を心がけましょう。
