Last Updated on 2026年1月8日 by
WebサイトのUX(ユーザー体験)は、見た目やデザインだけでなく、使いやすさ・読みやすさ・目的達成のしやすさによって評価されます。
UXを向上させるためには、感覚的な印象だけでなく、数値で「どの程度改善されたか」を把握することが重要です。
この記事は「WebサイトのUXを向上させるライティング」の具体策として、UXを定量的に測定する方法と評価手順、主要な指標の目標値について解説します。
UXを測定する目的
UXを測定する目的は、ユーザー満足度を数値化し、改善の優先順位を明確にすることです。
デザイン変更やライティング修正を行っても、効果を測らなければ成果は見えません。定量的な指標を活用することで、どのページが課題なのか、どの施策が成果につながったのかを客観的に判断できます。
UX測定は「改善の根拠を得るプロセス」といえるでしょう。
UXを測定するために使われる定量的な指標
UXを評価するには、アクセス解析ツールなどを用いて行動データを数値化します。
ここでは代表的な定量指標を紹介します。
CVR
CVR(コンバージョン率)は、Webサイトの目的達成度を表す重要な指標です。
- コンバージョン数:売上・申し込み・資料請求などの成果が発生した数
- コンバージョン率(%):コンバージョン数 ÷ 訪問者数(セッション数) × 100
CVRが高いページは、UXが良好でユーザーが迷わず行動できている可能性が高いといえます。
直帰率/離脱率
直帰率は、最初のページだけを見てサイトを離れた割合です。
- 直帰率(%):直帰セッション数 ÷ 全体セッション数 × 100
離脱率は、特定のページからサイトを離れた割合を示します。
- 離脱率(%):離脱数 ÷ 全体セッション数 × 100
GA4で離脱率を直接見られないため、「探索」のディメンションで「ページタイトル」や「ページロケーション」を選択し、値に「離脱数」を設定してデータを取得し、離脱率を計算します。
直帰率や離脱率が高い場合は、次のような課題があるでしょう。
- 直帰率が高い場合:入口ページの内容や導線
- 離脱率が高い場合:コンテンツの流れやリンク構成
両者を比較して改善の方向性を判断します。
セッション継続時間
セッション継続時間は、ユーザーが1回の訪問で滞在した平均時間を示します。
内容が充実しているサイトほど長くなる傾向がありますが、長ければ良いとも限りません。必要な情報に素早くアクセスできる構成もUXの一部です。
滞在時間の変化は、コンテンツの質や導線の改善度を測る指標として活用できます。
セッションあたりのページビュー数
セッションあたりのページビュー数は、1回の訪問で平均何ページ閲覧されたかを示す数です。サイト内回遊が活発であれば、この値は高くなります。
関連リンクやおすすめ記事を適切に配置することで、ユーザーの移動を促せます。ただし、目的ページにたどり着けず迷っている場合もあるため、CVRと合わせて確認することが重要です。
ヒートマップ
ヒートマップは、ユーザーの行動を可視化するツールです。クリック率・スクロール率などを分析し、どの位置が注目されているかを確認できます。
スクロール率が低い場合、ファーストビューで興味を引けていない可能性があります。
クリックマップを使えば、リンクやボタンの配置が適切かどうか、判断が可能です。定性的な洞察を得るのに有効な手法です。
Core Web Vitals
Core Web Vitalsは、UXの定量評価のためにGoogleが推奨するページ表示に関する指標です。
ページを呼び出してからの各段階別に、次のような指標があります。
- Time to First Byte(TTFB):ページを呼び出してから最初の1バイトが返されるまでの時間(サーバーの応答時間)
- First Contentful Paint(FCP):ページを呼び出してから画面表示が始まるまでの時間
- LCP(Largest Contentful Paint):視覚的に最も大きな要素(動画・画像・テキスト)が表示される速度
- CLS(Cumulative Layout Shift):ページ表示開始から完了するまでの間にコンテンツの位置が変動する度合い(視覚的な安定性)
- INP(Interaction to Next Paint):ページ上のすべての操作に対してブラウザ表示が応答する時間の最大値(応答性)
コンテンツの作り方が影響するのはLCP、CLS、INPの値です。INPは2024年に従来のFID(First Input Delay)から置き換えられた新しい指標です。
これらを改善することで、ユーザーの離脱防止やSEO評価向上につながります。
定量的指標の目安
各指標の目標値を決める際には、一般的な値を把握していると目安になります。
ただし、業界の違いやECサイトと一般BtoBサイトの違い、発表されている調査結果によって異なり、数値には一定の幅があります。
また、報告されているデータがさまざまに存在することや、日本国内のデータが乏しいことなどから、ここでは一旦、Grokから取得したデータを参考値として示します。
Grokが参考にするソースは、米国を中心としたグローバルなデータであるとのことです。
| ECサイト | 一般BtoBサイト | |
|---|---|---|
| CVR | 2〜4% | 2〜3% |
| 直帰率 | 30〜50% | 35〜55% |
実際の運用では、業界で一般的にいわれている値や過去の自社データを参考に、目標値を決めることが重要です。
UXを測定するツール
UXを数値で把握するには、アクセス解析や速度計測など複数のツールを組み合わせて使用します。
Google Analytics 4
GA4はUX分析の基本ツールです。コンバージョン率、直帰率、滞在時間などの行動データを取得できます。
イベント設定を行えば、フォーム送信やスクロールなどの行動も計測可能です。
特定ページのCVRやファネル分析(CVに至る行動プロセスの分析)を行うことで、改善すべきページを特定できます。
PageSpeed Insights
PageSpeed Insightsは、Googleが提供するサイト速度の評価ツールです。
Core Web Vitalsの指標(LCP・CLS・INP)を確認できるほか、Chrome UX Reportを通じて実際のユーザー体験に基づくスコアも確認できます。
改善項目を自動で提示してくれるため、技術的な課題発見に役立ちます。
Optimizely
Optimizelyは、A/Bテストを行うためのプラットフォームです。サービスが終了したGoogle Optimizeの代替として利用されますが、これ以外にもAB TastyやVWOなど、いくつかの選択肢があります。
ライターが直接扱うことは少ないものの、文言やレイアウト変更による成果を比較・検証する際に重要なツールです。
Microsoft Clarity/Hotjar
ClarityやHotjarは、ヒートマップやセッションリプレイ機能を備えたUX可視化ツールです。セッションリプレイとは、ページ上のユーザーの行動を動画として記録して再生することです。
ClarityはMicrosoftが提供しており、無料で利用できます。ユーザーがどこで離脱しているか、どの部分に注目しているかを直感的に把握できます。
Hotjarは有料のツールで、より細かい分析機能を持ち、A/Bテスト結果の裏付けにも活用可能です。
UXの評価手順
UXを改善するには、計測から仮説、施策実行、検証までのサイクルを定期的に回すことが大切です。
1. 現状計測
まずGA4でコンバージョン、ファネル、ページごとのCVRを設定します。併せてCore Web Vitalsのデータを取得し、現状の課題を整理します。
初期段階では、どのページで離脱が多いか、どの経路でCVRが低下しているかを把握することが重要です。
2. 仮説立案
課題を特定したら、UX改善の仮説を立てます。速度改善やフォーム入力の簡略化、ナビゲーション改善など、インパクトの大きい領域から着手すると効果的です。
とくに速度改善は全ページに影響を与えるため、優先順位を高く設定するとよいでしょう。
3. 改善施策の実行
仮説に基づいて、ページ構成やライティング、ボタン配置などを実際に修正します。変更は一度に多く行うのではなく、段階的に進めることがポイントです。修正内容と変更日を明確に記録しておくことで、後の検証で成果を比較しやすくなります。
ABテスト/定量的検証
改善後はA/Bテストを実施し、コンバージョン率や離脱率の変化を確認します。
異なるコピーやボタン配置を比較することで、ユーザーの反応を定量的に把握可能です。数値の差が有意であれば改善効果があると判断できます。
定性的検証
ヒートマップやユーザーテストを通じて、なぜ改善につながったのかを検証します。
たとえば、ボタンの文言変更でクリックが増えた理由をユーザー行動から分析することで、今後の改善方針がより明確になります。
定量データと組み合わせることで、説得力のある報告が可能です。
ライターがUX改善に関わるポイント
UX改善はデザイナーやエンジニアだけの領域ではありません。ライターも、見出しの構成や文言の明確さ、導線を意識した文章設計などでUX向上に寄与できます。
とくに、CTA(行動喚起)の表現や説明文の順序を工夫することで、ユーザーの行動をスムーズに導けるでしょう。
まとめ
UXを測定することは、単なるアクセス解析ではなく「ユーザー体験を改善するための基盤づくり」です。
指標を数値で把握し、仮説と検証を繰り返すことで、継続的にユーザー満足度を高めることができます。
ライティングや構成の工夫も、UX改善の重要な一歩となるでしょう。
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