検索意図を自社の価値から捉え直す視点


ホワイトボードに書かれた「企業価値」

WebサイトでSEO記事を制作する際、「上位記事(つまり競合)を参考にして検索意図に応える」ことが基本的なSEO施策として定着しています。
ただ、それは検索意図の捉え方として正しいのか?というのが、この記事の出発点です。

競合を起点に自社コンテンツを作るという考え方をやめ、検索意図を自社価値を起点に定義するという考え方を提案します。

検索意図に「正解」はあるか

SEO記事では、対策キーワードで検索した際に上位表示されている記事を参考にしながら、ユーザーの検索意図を把握するのが一般的です。
上位記事の多くが同じような構成・内容であれば、それが「市場の正解」として扱われます。

ただ、検索ボリュームの大きいキーワードでは、検索意図は一通りではありません。「Webサイト 運用」のような幅広いキーワードの場合、運用の手順を知りたい人もいれば、改善方法を探している人、外注先を探している人など、さまざまなニーズが混在しています。

たとえば、上位5記事のなかで4位あたりに、他の記事とは異なる切り口や視点を持つ記事が入っているという現象があります。
多数派の検索意図とは少しズレていても、一定のユーザーに刺さる内容であれば上位表示の可能性があるということでしょう。
これは、検索意図に「唯一の正解」があるわけではないことを示しているのではないでしょうか。

市場に合わせることの落とし穴

上位記事に寄せて記事を書くことは、アクセスを獲得するうえで有効な手段です。しかし、市場の多数派に合わせた結果として、自社とは関係のないユーザーを集めてしまうケースがあります。

ここに、専門性の高いサービスを提供している会社があるとします。たとえばBtoBのコンサルティング会社です。
その会社のサイトに「SEO対策 方法」のようなキーワードで汎用的な情報記事を書いて集客しても、訪問したユーザーが自社のサービスに興味を持つとは限りません。
アクセスは増えても、問い合わせや購入につながらないという状況が生まれやすくなります。

これは、マーケティングとブランディングの違いに似た問題です。
マーケティングが市場のニーズに合わせて売れる仕組みを作るものだとすれば、ブランディングは自社の価値を明確にして、それを求めるユーザーとつながるものです。
SEOにおいても、市場ウケを狙うだけでなく、自社価値を軸にした発信が必要ではないかと考えています。

自社価値を起点に検索意図を定義する

では、どのように考えればよいでしょうか。

まず、自社がユーザーに提供できる価値を明確にします。商品・サービスの強みや独自性、ユーザーが抱える課題に対してどんな解決を提供できるのか、といった点です。
次に、その価値を求めているユーザーがどのような言葉で検索するかを想定します。

この順序が、競合を起点とするSEOの考え方とは逆になります。「キーワードから検索意図を読み取り、それに合わせた記事を書く」のではなく、「自社の価値を届けたいユーザーの検索意図を、自社側から定義する」という発想です。

検索意図はユーザーに完全に合わせるものではなく、自社の価値とユーザーのニーズが重なる部分を見つけて定義するものと捉えると、コンテンツの方向性が定まりやすくなるでしょう。

検索意図を「価値提供の入口」として捉える

検索意図をこのように捉え直すと、コンテンツの役割も変わってきます。
上位記事に近い内容を書くことは、Googleに「このページはキーワードに関連性が高い」と認識させるための手段のひとつです。しかし、それだけを目的にすると、コンテンツは「検索エンジンのためのもの」になりがちです。

自社の価値を起点にすれば、コンテンツは「自社とユーザーをつなぐためのもの」になります。
検索意図は、そのつながりを生み出すための入口です。ユーザーが検索した言葉をきっかけに自社のコンテンツにたどり着き、そこで自社の価値を知ってもらう。
そのような流れを意識してコンテンツを設計することが、長期的にサイトの価値を高めることにつながると考えます。

市場の多数派に合わせるだけでなく、自社がユーザーに提供できる価値を軸に検索意図を定義してみる。その視点を持つことで、コンテンツ制作の考え方が変わるかもしれません。

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