キーワードの詰め込み、類似コンテンツ、過剰な内部リンクなど、過去のSEOの習慣が残るオウンドメディアも多いことでしょう。
私自身も昨年は、そのような傾向のあるWebサイトのライティングチームに参加していた時期があります。
近年、Googleは過剰なSEOを行うサイトへの評価を厳しくしているため、従来型のSEOを実施しているサイトは方向転換を余儀なくされています。
この記事は、SEOをやりすぎたオウンドメディアが抱える課題に着目し、サイト改善の見地から具体的な改善策を提案するものです。
成果を確認していない仮説的な内容も多く含みますが、検索からの評価が思わしくないサイトやオウンドメディアを運営する方の参考になれば幸いです。
目次
- SEOのやりすぎから生じるリスク
- SEOのやりすぎと考えられる状況
- オウンドメディアのSEO過多を是正する施策
- 自社価値やブランディングを意識したSEO
- 現状分析のポイント
- 改善施策の優先順位と進め方
- まとめ:オウンドメディアのリライトで継続的な改善をしよう
SEOのやりすぎから生じるリスク
SEOのやりすぎは、次のようなリスクを生じさせます。
- ユーザー体験の低下と離脱率の上昇
- Googleからの評価の低下(E-E-A-Tや有用性の観点)
- 長期的なトラフィックの減少
キーワードを詰め込んだ文章は不自然で読みにくく、多すぎるCTA(Call To Action)や内部リンクは注意散漫となり、ユーザーが早期離脱する原因となるでしょう。
Googleが重視するE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の観点で、有用性を損なう可能性もあります。
結果として検索流入が減り、長期的なトラフィック低下につながるリスクが生じます。
SEOのやりすぎと考えられる状況
どのような状態が「やりすぎ」にあたるのか、代表的なケースを解説します。
キーワードのバリエーションが多すぎる
記事数を増やすことを目的に、キーワードの数を必要以上に増やしているサイトがあります。複合キーワードの組み合わせを際限なく広げると、必然的に内容が似かよった記事が量産されます。
ユーザーが求める情報の粒度を無視して「キーワードありき」で記事を作ると、どの記事の内容も中途半端になります。キーワードの数よりも、ひとつひとつの記事がユーザーの疑問にどれだけ深く答えられるかを優先して考えることが重要です。
類似・重複コンテンツが多い
キーワードを機械的に増やすことで、内容が重複したページが生まれます。また、特定のセクションや説明文を複数の記事で流用するケースも、重複コンテンツの原因になります。
Googleは重複コンテンツを「有用性の低いページ」と判断する場合があり、サイト全体の評価に悪影響を与えることがあります。類似した記事が多いほど、サイト内で自社のコンテンツ同士がぶつかる「カニバリゼーション」が生じやすくなるでしょう。
過度なトピッククラスターの強制
トピッククラスターは、主要な話題(トピックまたはピラー)に対して詳細記事(クラスター)が複数存在する構造を作ってサイトの権威性を高める手法ですが、関連性の薄い記事や、詳細説明の意味を持たない記事を無理にクラスター化すると逆効果になります。
また、検索意図の異なるページを同じテーマにまとめすぎると、クラスターとしての一貫性が失われます。
トピッククラスターは、マニュアルや商品群のように階層構造を持つコンテンツにマッチしやすく、ブログ記事のように互いに並列的に存在するコンテンツには向かないケースもあります。この場合、文脈の関連性に基づく内部リンクのほうがSEOに対して有効に働くでしょう。
過剰な内部リンク
重要なページへの内部リンクを多くして評価を高めようとするあまり、関連性が薄い記事からもリンクを張っているサイトがあります。リンクをたどって訪問したユーザーの期待を裏切ることになるため、好ましくありません。検索エンジンからの評価を落とす原因にもなります。
内部リンクの本来の目的は、ユーザーが次に読むべき関連情報へ自然に誘導することです。リンクの数を増やすことよりも、文脈に沿った適切な配置を優先させることが重要です。
過剰なCTAとマイクロコピー
コンバージョンを増やそうとして、CTAや補足説明(マイクロコピー)を記事内に多数配置しているケースがあります。しかし、CTAが連続して現れると記事の文章の流れを阻害し、ユーザーが内容に集中しにくくなります。
親切心から加えたマイクロコピーも、多すぎると注意が散漫になる原因です。
オウンドメディアのSEO過多を是正する施策
やりすぎたSEOを是正するには、「何を削り、何を残すか」の判断が中心になります。具体的な施策を見てみましょう。
キーワードの絞り込み
まずターゲットを明確にし、サイトの方向性に合うキーワードだけに絞ります。次に、似た話題にならないようキーワードを分散させ、各記事が独立した価値を持つよう設計しましょう。
キーワードの優先順位を決めるうえで、Google Search Consoleでの検索クエリデータが参考になります。すでにある程度の表示回数があるクエリや、クリック率が低いページから着手すると効率的です。
コンテンツのグルーピング
関連性の高い記事同士をグループ化し、同じグループ内で内部リンクを適切に張りましょう。グルーピングの基準は「ユーザーが同じ文脈で読み進める可能性があるか」です。文脈に沿ったリンクを重視することで、ユーザーの回遊が自然に促されます。
グルーピングされた記事のなかで、ピラーとクラスターの関係にあたるものは、相互リンクを行ってトピッククラスターを形成するとよいでしょう。
重複コンテンツの排除
複数のページに同じコンテンツを含まないよう、使い回しを防ぐことが基本です。
また、競合サイトを参考にしすぎた結果、差別化できずに内容が似かよってしまったコンテンツも、排除または独自化の対象になります。
内容が大きく重複しているページは、統合するか、どちらかを削除する判断も必要です。ページを整理することで、サイト全体のコンテンツの密度が高まり、Google検索からの評価改善が期待できます。
最小限のマイクロコピーと適切なCTAの配置
マイクロコピーはユーザーへの親切な補足情報ですが、記事の文脈を中断する作用があるため、最小限にとどめましょう。
CTAを多く置くほど記事内容への集中度が下がり、結果として記事自体の効果が薄まります。
CTAやマイクロコピーは文脈に沿って適切に配置することが重要です。目安として、記事の後半の2〜3か所以内に絞り、ユーザーが具体的な解決策や手段を知って行動に移りやすいタイミングで提示するのがよいでしょう。
自社価値やブランディングを意識したSEO
SEOのやりすぎを是正する作業が一段落すれば、次は「自社がどんな価値を提供できるか」を軸にしてSEOを捉えましょう。
顧客が自社に求める価値を自社価値として定義し、その価値を体現する方向でコンテンツを展開します。
たとえば、ある解決手段やシステムを普及させることが自社の使命や価値であるとすれば、解決手段の効果をアピールすることや、システムの正しい使い方をレクチャーする内容などがコンテンツの主体になるでしょう。
自社価値を軸にすると、サイトのテーマ性と一貫性が自然と保たれます。Googleはサイトが持つトピックの一貫性を評価の参考にするため、テーマがブレないことはSEOの面でも有効です。
こうした取り組みは短期的な効果を求めるより、長期的な視点で継続することが重要です。一過性のキーワード施策ではなく、信頼感のあるブランドとして認知されるためのコンテンツを蓄積することが有効だといえます。
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現状分析のポイント
改善に着手する前に現状を正確に把握することが必要ですが、従来のSEOでも現状分析は実施していたはずです。
従来はキーワードの検索ボリュームや表示回数、クリック率(CTR)や検索結果の順位などに着目していたと思いますが、それらはユーザーがサイトを訪れる前の段階での指標のため、CVを目的とするユーザー体験やコンテンツの質を表す指標ではありません。
従来とは異なる指標を見ていく必要があります。
UX・CVに関わる指標を分析する(Google Analyticsの活用)
ユーザー体験(UX)やコンバージョン(CV)を評価するために Google Analytics を活用し、直帰率やセッション継続時間、行動につながるイベントの発生量などの指標を組み合わせて分析する必要があります。
記事の内容や構成がユーザーの期待に応えられていない場合、直帰率が高くなり、発生するイベントも限られる傾向があります。
Search Console と組み合わせて分析することでパフォーマンスの低いページを特定し、改善策を検討することが有効です。
関連記事:UXを数値で見る|Webサイト改善のための指標と目標値
競合記事と比較して不要な記述を削減する
対策キーワードで実際に検索し、上位5〜10記事の構成・文字数・トピックの扱い方を確認します。
検索結果を重視する従来の手法の場合、自サイトの記事と比較して不足するトピックを抽出し、自社コンテンツに追加するケースが見られました。
自社にとっての必要性を精査していれば問題ありませんが、単に網羅性を高めるために項目を追加していたのであれば、見直しが必要です。
コンテンツの重要度が低く、競合記事でも触れていない内容は、削減することで記事の質を高められます。
自社の強みを活かす方向でのみ、項目の追加を検討するのがよいでしょう。
優先的に改善すべきページを見極める
改善の優先度は、たとえば次のような基準で判断すると対策が進めやすく、効率もよいでしょう。
- 検索順位が6位〜20位にあり、少しの改善で上位が狙えるページ
- 表示回数が多いのにCTRが低いページ(タイトル・ディスクリプションの改善)
- 公開・更新から6か月以上経過しており、情報が古くなっているページ
すべてのページを一度に見直すのは現実的ではありません。上記のような基準を設けて効果の出やすい順に着手することで、限られたリソースで改善効果を得やすくなります。
関連記事:リライトする記事の選び方と効果的な改善ポイントを解説
改善施策の優先順位と進め方
サイト改善は、短期的な施策と中長期的な施策に分けて考えるとよいでしょう。
それぞれで取り組める施策を挙げると、以下のようになります。
短期施策
短期で取り組みやすいのは、次のような施策です。
- 重複コンテンツの排除や類似ページの統合
- CTAやマイクロコピーの見直し
これらは、新しく記事を書く作業が少なく着手しやすいことや、既存ページの修正だけで対応できる内容です。
中長期施策
ブランディングを考慮した信頼性を高めるSEO施策を実施します。
自社価値を定義し直してコンテンツの方向性を決め、継続的な記事の追加・修正によってサイトのテーマ性を高めます。
リライトの具体的な手順は次のとおりです。
- 検索意図とのズレを修正
- 情報・データの更新
- タイトル・見出しの見直し
- 内部リンクの補強
すでにオウンドメディアに多くの記事が存在する場合、整理・統合をしながらリライトを進めることで、比較的早期にコンテンツの品質を向上できるでしょう。
新規の記事も必要ですが、上記のリライトで内容自体を新しい状態に保てるため、既存記事に足りない情報を補うレベルの新規作成に留めることが可能です。
まとめ:オウンドメディアのリライトで継続的な改善をしよう
SEOをやりすぎたオウンドメディアの改善は、コンテンツを増やす方向ではなく、絞り込む方向で進めることが推奨されます。
多くなりすぎた記事を整理し、テーマ性を高めることで、サイト全体の評価が安定するでしょう。
また、単なるキーワード施策から脱却し、自社価値やブランディングを意識したSEOへの転換を目指しましょう。長期的な視点で継続的に改善を実施することが、安定した集客とCVの確保を可能にします。
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